7月の終わり頃、備前焼の窯元を訪ねました。
目指すのは岡山県の和気群です。道中の車内からパチリ。
美しい田園風景が広がっていました。
よぉ〜く見ると、田んぼの中に白鷺が2羽写っているのですが、ご覧になれるでしょうか・・・
備前焼陶芸家の安田龍彦さんです。
翌週から大阪で個展を開かれる準備で大忙しのところ、お邪魔させていただきました。
大事な窯の中を見せていただきました。貴重な体験です!
窖窯(あながま)といって、傾斜に沿ってひとつの長い部屋になっています。
奥に煙突が見えます。
窯焚きの時には、ここに棚が組まれてびっしりと作品が並べられます。
窯のどこにどう置くかによって、焼き上がりの景色が変わる備前焼。
この広い窯の中に、火や灰のあたり方を計算しながら配置していくのは、知識と経験と集中力など、とてもエネルギーのいる工程なんだろうなぁ、と思います。
例えば飯碗だけでも、材料の土、そして窯の中の置き方によって色や景色がガラリと変わります。
材料は土のみ。
(土はとても重要で、備前地方にしかない良質で貴重なものです)
それを、選別したり、不純物を除いたり、調合したり、練ったりなどなど、丁寧に丁寧に工程を重ねて粘土にしていきます。
窯焚きでは、高温でおよそ13日間、薪で焚き続けることによって、しっかりと焼き締まった丈夫な器になります。
シンプルそうな工程なのに、なぜ多様な色や質感の作品に仕上がるのか。
美しい艶や窯変と言われる様々な景色は、土の成分や薪の灰が、焼成による化学反応で色や質に豊かな変化をもたらしたものなのです。
説明っぽくなってしまいましたが、伝えたかったこと。
それは・・・
備前焼きは、ダイナミックな窯焚きや、素朴な姿の作品が印象的かもしれませんが、
実は、人の手による緻密で繊細な工程と、炎の力が融合して生まれる奇跡の産物なのだということです!(ゼェゼェ…)
なんて奥ゆかしいのでしょう。備前焼。
オンラインショップでは、手のひらに持った時のさらなる魅力がお伝えできなくて残念ですが、当ショップや、安田さんのお店「備前焼 陶た」にて、
お気に入りの一点との出会いを皆さんにお届けできたら嬉しく思います。
今回お譲りいただいた作品たちは、
カフェボウル、ご飯茶碗 にて配置の工夫について詳しくご紹介しています。
ひとつひとつ異なる表情のうつわたちについて、個性を丁寧に教えていただいた安田先生、ありがとうございました。
備前焼 陶た はこちら→ https://bizen-yasuda.shop-pro.jp/
<オフショットの紹介>
左奥が窯、手前が工房兼ギャラリーになっています。
田園と山並みに囲まれ、空が美しくて本当に気持ちのよい場所です。
岡山からの帰り、途中で姫路城に寄りました。
(白鷺城だけに・・・)